平成24年9月研修『心のメカニズムについて』
研修担当の高橋です。
9月の研修は日頃お世話になっている取引先卸のMS担当者様に依頼し、服薬指導の対応に悩む患者様を例に、その心にはどういったメカニズムが働いているのかを学ぶ研修を行いました。
どのような対応をすれば前向きに治療に取り組めるようになるのか、小グループに分かれてディスカッションを行いました。
症例の内容は、
①(検査値が高いが)大丈夫、と現状を直視できずにいる患者
②仕事の都合でついつい…と言い訳してしまう高脂血症の患者
③抗ガン剤を服用することになり攻撃的になっている患者
の3つの例をVTRで見て、どんな言葉を掛ければいいのか、どんな態度で接すればいいのかを話し合うものです。
薬局で毎日働いていると忘れてしまいがちですが、薬局に喜んでくる患者さまはいませんし、悩みを抱えながら足を運ばれる方がほとんどです。
たくさんの生活習慣病の方が来局されますが、同じ病気ではなく患者さま一人ひとりに服薬をためらわせる悩みがあり、その悩みを取り除く手助けをすることも薬剤師の大きな役割です。
しかし実際はコミュニケーションがなかなかとれない患者さまも多く、伝えたい情報を上手く伝えることが難しいケースもあります。
最低限の説明だけで済ませてしまえば恐らくトラブルは起きないでしょうが、薬剤師から一歩踏み出すことで、患者さまが言えずにいる悩みが表に出て信頼関係がより強くなるチャンスでもあります。
信頼関係を築くことで、初めてかかりつけ薬局として患者さまにとって必要な存在になれるのだと思います。
もちろん一方通行になってはいけませんから、常日頃から患者さまの表情や声なども気を配り必要な時に言いたいことが言える土台を作っておく必要があるのは言うまでもないことです。